ひとやすみ⑨『夢の国での新生活』

25歳の春、ついに夢の生活のスタートです。
15歳の時に描いた生活が、10年越しについに叶いました。

福岡県北九州市にある「スペースワールド」というテーマパークで、私のミュージシャン生活は始まりました。

関東での生活を終え、2月初頭に地元大分へ。
まずは福岡での生活をはじめるために、住まいを探しに北九州へ向かいます。

黒崎という場所にある不動産で、枝光という場所にあるレオパレスを契約しました。
時間もあまりなかったことと、とりあえず寝食ができればいいと思っていたので、特に家はこだわらずに決定しました。

ただ、実際に住まいを見学しに行ったときには「ここにして良かった」と心から思えました。
家の前の道からスペースワールドの「タイタン」というジェットコースターが見えたからです。
日常生活が「非日常」になるような感覚を覚えたのを、今でも鮮明に思い出せます。

初出勤は3月のアタマからでした。

職場にはバンドルームというものがあり、ついにそこで夢だった音楽での仕事が始まりました。

最初は軽く音合わせ、ということでいくつか譜面をいただきました。
初見で演奏するという状況だったのですが、なかなか曲も難しかったのと緊張していたということもあり、演奏はまあ散々だったと思います笑

なにはともあれ、初日の仕事は無事に終わりその日練習した曲を初ステージで演奏する、という指令をいただきました。
それからは毎日、職場に行っては練習、という日々です。

寝ても覚めても音楽漬けの日々。
本当に「夢のような世界」です。

ある意味この生活に至るまでの日々は「地獄」そのもので、夢は叶うんだなと思うと共に、人の生きる幸せというのは、良くも悪くも簡単に変化するものなんだな、と身をもって体験しました。

そんな、夢の日々がようやく始まり、私はさらに音楽に没頭できるようになったのでした。